会社法から見る合同会社4第4話 合同会社の管理・業務執行合同会社において会社の機関設計はシンプルです。全社員が業務執行を行う、社員の中から業務執行社員を選任する、複数の業務執行社員から代表する社員を選任する、といった選択が可能です。いわゆる合同会社における機関設計です。 (業務の執行) 第五百九十条 社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。 2 社員が二人以上ある場合には、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、持分会社の常務は、各社員が単独で行うことができる。ただし、その完了前に他の社員が異議を述べた場合は、この限りでない。 合同会社では定款で別段の定めを置かない場合には、社員の過半数の決定で業務を執行していくことになります。株式会社のような株式数による決定ではなく社員の数での過半数であるところが人的会社らしいところです。 では、少し規模が大きくなってきて出資者としての社員が増えた場合はどうすればいいでしょうか。社員全員の過半数では、だんだん話がまとまらなくなってきます。意思決定が速いとされる合同会社でも全員の過半数による決定では問題になることもでてくるでしょう。そのような場合は、出資社員のなかから「業務執行社員」をあらかじめ定款で定めて、業務執行する社員を絞っておくことが有効です。 (業務を執行する社員を定款で定めた場合) 第五百九十一条 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、業務を執行する社員が二人以上あるときは、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、業務を執行する社員の過半数をもって決定する。この場合における前条第三項の規定の適用については、同項中「社員」とあるのは、「業務を執行する社員」とする。 2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、支配人の選任及び解任は、社員の過半数をもって決定する。ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、その業務を執行する社員の全員が退社したときは、当該定款の定めは、その効力を失う。 4 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、その業務を執行する社員は、正当な事由がなければ、辞任することができない。 5 前項の業務を執行する社員は、正当な事由がある場合に限り、他の社員の一致によって解任することができる。 6 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 業務執行社員の解任については他の社員の一致で行うことができますが、これについても定款で別段の定めをおくことができます。 (社員の持分会社の業務及び財産状況に関する調査) 第五百九十二条 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、各社員は、持分会社の業務を執行する権利を有しないときであっても、その業務及び財産の状況を調査することができる。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時又は重要な事由があるときに同項の規定による調査をすることを制限する旨を定めることができない。 社員は業務や財産についての状況を調査する権利を有します。しかし、定款に別段の規定を置くこともできますが、少なくとも事業年度終了時や重要事項発生時にはこの監視権は保証されています。 ジャンル別一覧
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